上五明条里水田址 発掘調査現地説明会が行われました
11月3日(祝・木)、上五明条里水田址の埋蔵文化財発掘調査現場で、現地説明会が行われました。
この説明会は、国道18号坂城更埴バイパス改築工事に伴い、長野県埋蔵文化財センターが実施している埋蔵文化財発掘調査の状況を、地元のみなさんにご紹介するため開催されたものです。
調査は昨年9月から断続的に行われ、地表下約1.2~1.7mの深さで、平安時代(10世紀頃)の竪穴建物跡が25軒見つかるなど、この地に集落があったことがわかっています。この日の説明会では、今年9月から再開した調査で驚きの発見があったことが報告されました。
なんと、平安時代の製鉄炉跡が1基見つかったとのことです!
この製鉄炉は直径約60cmの筒型で、原料となる砂鉄や木炭を入れて高温で熱し、鉄滓(かなくそ)を搔き出しながら、鉄塊を作り出す仕組みです。鉄塊を取り出す際に炉の壁を壊すため、炉床と、流れ出した鉄滓のみが残っていました。
そのほか、炉内に空気を送るための羽口や、砥石などの鉄生産に関連する遺物が出土し、この集落で鉄器づくりが行われていたことがわかりました。
「ものづくりの町」である坂城町の源流ともいえる発見に、見学者の皆さんも目を輝かせていました。
▲上五明条里水田址現地説明会 |
▲竪穴建物跡 |
▲カマドを備えた竪穴建物跡 |
▲製鉄炉跡 |
▲鉄滓 |
▲羽口 |