十六夜観月殿
村上大国魂社へ続く苔生した石段を昇り、林を抜けると、十六夜観月殿が現れます。
その昔、都の生活を懐かしんだ村上氏が、この場所で月を眺め、歌を詠んだと地元に伝わります。
ここからは、葛尾山、大峰山、虚空蔵山といった坂城を囲む山々や、水面輝く千曲川、人々が暮らす里のようすが美しく見え、和歌や俳諧に親しむ人々は、観月殿の周辺に多くの句碑を建立してきました。
その文化的価値の高さから、この一帯は「十六夜観月殿と周辺の景観」として町の名勝に指定されました。
今でも秋の名月のころ、この観月殿で俳句会が開かれ、文化を愛する人々のよすがとなっています。
また、ここは狐落城、三水城への登り口でもあります。山城散策の前後に、ちょっとひといき。
歌心の赴くままに、一句ひねってみてはいかがでしょうか。